電気・無線 / 無線従事者

第一級陸上無線技術士の例題・出題範囲・重要用語

無線工学の基礎/無線工学A/無線工学B/法規

出題範囲

  • 無線工学の基礎
  • 法規
  • 無線工学B
  • 無線工学A

例題に挑戦

スキルサートのAIが生成した演習問題のサンプルです。アプリでは毎週新しい問題が追加されます。

例題1

自由空間に置かれた半波長ダイポールアンテナの最大放射方向における、等方性アンテナを基準とした利得(絶対利得)の真数値として、最も近いものはどれか。

  1. 1.76
  2. 1.28
  3. 2.15
  4. 1.64
  5. 1.50
解答と解説を見る

正解: 1.64

正解は「1.64」です。半波長ダイポールアンテナの絶対利得(等方性アンテナを基準とした利得)は、理論値として約2.15[dB]です。これを真数値(電力比)に換算するには、10の(利得[dB]/10)乗の計算を行います。10の0.215乗を計算すると約1.641となるため、最も近い値は1.64となります。一方、相対利得(半波長ダイポールアンテナ自体を基準とした利得)は0[dB]、すなわち真数値で1倍となります。無線工学の計算では、絶対利得と相対利得の定義の違いを正確に把握しておくことが不可欠です。

例題2

無限大導体平板に設けられた細い半波長スロットアンテナの自由空間における入力インピーダンスの理論値[Ω]として、最も近いものはどれか。

  1. 277
  2. 487
  3. 600
  4. 377
  5. 73
解答と解説を見る

正解: 487

正解は「487」です。バビネの原理をアンテナに応用した公式(Zs・Zd = η^2 / 4)を用います。ここでZsはスロットアンテナ、Zdはダイポールアンテナのインピーダンス、ηは自由空間の固有インピーダンス(約120π ≒ 377[Ω])です。半波長ダイポールのインピーダンスZdを約73[Ω]とすると、Zs = 377^2 / (4 × 73) ≒ 142129 / 292 ≒ 486.7[Ω]となり、約487[Ω]が導かれます。スロットアンテナは、その構造から相補的なダイポールアンテナと比較して高いインピーダンスを持つことが特徴です。

重要用語

マクスウェル方程式
電磁気学の基礎となる4つの方程式の総称。電界と磁界の相互作用や、電磁波の伝搬を数学的に記述する。ガウスの法則、磁界に関するガウスの法則、ファラデーの電磁誘導の法則、アンペール・マクスウェルの法則で構成される。無線工学のあらゆる理論の根幹を成しており、電波の性質を理解する上で極めて重要な概念である。
ポインティングベクトル
電磁波が単位時間に単位面積を通過するエネルギーの方向と大きさを表すベクトル。電界Eと磁界Hの外積(E×H)で定義され、その方向は電磁波の進行方向と一致する。単位はワット毎平方メートル(W/㎡)である。試験では、アンテナからの放射電力や自由空間での電力束密度の計算において頻出する重要な指標である。
固有インピーダンス
電波が伝搬する媒体(媒質)における電界と磁界の振幅の比。自由空間(真空)の場合、約377Ωという一定の値をとる。これは媒質の誘電率と透磁率の比の平方根で算出される。無線工学においては、異なる媒質の境界での反射や透過を計算する際の基礎となり、インピーダンス整合の概念を理解する上でも不可欠な要素である。
Q値
共振回路の鋭さを表す無次元の指標。回路に蓄えられるエネルギーと、1サイクルあたりに失われるエネルギーの比で定義される。Q値が高いほど共振特性が鋭くなり、選択度(特定の周波数を選び出す能力)が向上するが、一方で帯域幅は狭くなる。インダクタンス、静電容量、抵抗成分の関係によって決まり、フィルタ回路や発振回路の性能評価に用いられる。
フェルミレベル
半導体や金属において、絶対零度で電子が占有する最高のエネルギー準位、または電子の存在確率が50%となるエネルギー準位を指す。n型半導体では伝導帯に近く、p型半導体では価電子帯に近い位置に存在する。pn接合の熱平衡状態においては、領域全体でフェルミレベルが一致するように内部電位が生じるため、デバイスの動作原理を理解する鍵となる。
ホール効果
磁界中に置かれた導体や半導体に電流を流した際、電流と磁界の両方に垂直な方向に起電力(ホール電圧)が発生する現象。磁界によって移動電荷がローレンツ力を受け、片側に偏ることで生じる。この効果を利用してキャリアの種類(電子か正孔か)や濃度、磁束密度の測定が行われる。半導体工学の試験問題で動作原理や符号の判定がよく問われる。
テブナンの定理
複数の電源と抵抗を含む複雑な線形回路を、一つの電圧源(開放電圧)と一つの内部抵抗(等価抵抗)の直列回路に置き換えることができるという定理。回路網の特定の部分に流れる電流や電圧を簡略化して計算する際に非常に有用である。同様の概念に、電流源と並列抵抗に置き換える「ノートンの定理」があり、回路計算の基本テクニックとして定着している。
過渡現象
回路のスイッチを切り替えた直後など、ある定常状態から別の定常状態へ移行するまでの間に発生する時間的な変化現象。主にコイルやコンデンサを含む回路で顕著に現れる。これらはエネルギーを蓄積する性質を持つため、電圧や電流が瞬時ではなく指数関数的に変化する。時定数によって変化の速さが決まり、回路の応答性を評価する重要な要素である。

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