IT・情報処理 / 情報処理技術者(IPA)

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の無料問題集・例題・出題範囲

IPA ES — ハード/RTOS/リアルタイム制御/組込みSW設計/品質・安全

  • 810問
  • 11分野
  • 解説つき・無料で演習
  • 問題の最終更新:

出題範囲(11分野)

  • リアルタイムOS/スケジューリング75問
  • 品質/信頼性/安全規格75問
  • ハードウェア/回路基礎74問
  • 組込みSW設計/ドライバ75問
  • 制御/リアルタイム設計69問
  • デバドラ/IO制御/通信(UART/I2C/SPI/CAN等)73問
  • 組込みHW(MCU/MPU/バス/周辺)75問
  • 安全規格/信頼性/テスト/妥当性確認75問
  • RTOS(タスク/割込み/同期/スケジューリング)75問
  • 性能/電力/最適化/計測70問
  • リアルタイム設計/パターン/時相解析74問

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の例題(6問・解説つき)

スキルサートのAIが出題範囲に沿って作成した演習問題です(過去問ではありません)。アプリでは毎週新しい問題が追加されます。

例題1リアルタイムOS/スケジューリング

リアルタイムOSにおいて、優先度逆転問題を解決するための「優先度シーリングプロトコル」の説明として、適切なものはどれか。

  1. デッドロックを回避するために、すべてのリソースに一連の番号を振り、番号順にしかロックできないように制限する。
  2. 共有リソースごとに上限優先度を割り当て、そのリソースをロックしたタスクの優先度を、その上限優先度まで引き上げる。
  3. 同じ優先度を持つ複数のタスクに対して、一定時間ごとに実行権を交互に割り当てる。
  4. 高優先度のタスクが待ち状態になったときに、実行中の低優先度タスクにCPUを明け渡すようにスケジューリングする。
  5. 共有リソースを使用しているタスクの優先度を、そのリソースを待っているタスクの中で最も高い優先度と同じにする。
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正解: 共有リソースごとに上限優先度を割り当て、そのリソースをロックしたタスクの優先度を、その上限優先度まで引き上げる。

正解は「共有リソースごとに上限優先度を割り当て、そのリソースをロックしたタスクの優先度を、その上限優先度まで引き上げる。」です。優先度シーリングプロトコルは、リソースを使用する可能性のある全タスクの最高優先度をあらかじめ設定し、ロック獲得時にその値まで優先度を上昇させることで、低優先度タスクによる長時間の中断やデッドロックを防止する手法です。一方で、待機中の最高優先度タスクの値を継承する手法は「優先度継承プロトコル」と呼ばれます。

例題2品質/信頼性/安全規格

自動車用機能安全規格であるISO 26262において、ASIL(自動車安全度水準)を決定するための3つの要素の組み合わせとして、適切なものはどれか。

  1. 負傷のひどさ、露出の可能性、制御の可能性
  2. 故障率、修理時間、環境条件
  3. 設計の複雑さ、テスト網羅率、運用コスト
  4. 完全性、機密性、可用性
  5. 発生頻度、検知可能性、保守性
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正解: 負傷のひどさ、露出の可能性、制御の可能性

正解は『負傷のひどさ、露出の可能性、制御の可能性』です。ISO 26262におけるASIL(Automotive Safety Integrity Level)は、ハザード解析およびリスクアセスメントを通じて決定されます。具体的には、事故が発生した際の「負傷のひどさ(Severity)」、その状況に陥る「露出の可能性(Exposure)」、および運転者などが危険を回避できる「制御の可能性(Controllability)」の3要素を組み合わせて、QM(品質管理)からASIL A〜Dまでのレベルを定義します。ASIL Dが最も厳しい安全要求となります。

例題3ハードウェア/回路基礎

3ステートバッファの出力状態に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 出力がハイ、ロー、および電気的に絶縁されたハイインピーダンスの3つの状態をもつ。
  2. 入力信号を反転させた状態、そのままの状態、および遅延させた状態の3つをもつ。
  3. 3つの異なる入力信号の論理和をとり、1つの出力信号として生成する。
  4. アナログ信号を3階調のデジタル信号に変換して出力する。
  5. 入力信号の論理レベルに応じて、電源電圧を3段階に切り替える。
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正解: 出力がハイ、ロー、および電気的に絶縁されたハイインピーダンスの3つの状態をもつ。

正解は「出力がハイ、ロー、および電気的に絶縁されたハイインピーダンスの3つの状態をもつ。」です。3ステートバッファ(トライステートバッファ)は、通常の論理出力であるH(ハイ)とL(ロー)に加えて、第3の状態として「ハイインピーダンス(Hi-Z)」状態を持ちます。ハイインピーダンス状態では、出力端子が回路から電気的に切り離された状態になり、電流が流れません。これにより、複数のデバイスの出力を1つのバスに接続し、特定のデバイスのみがバスを使用するバス共有構成を実現することが可能になります。エンベデッドシステムのハードウェア設計において、CPUやメモリ、周辺ICを接続する共有バスの制御に不可欠な基本素子です。

例題4組込みSW設計/ドライバ

組込みシステムのデバイスドライバ設計において、データの転送効率を向上させるためにダブルバッファリングを用いる主な目的はどれか。

  1. メモリの使用量を最小限に抑え、ハードウェアリソースを節約するため。
  2. CPUのキャッシュメモリのヒット率を向上させ、メモリアクセスを高速化するため。
  3. CPUによるデータ処理と周辺装置による入出力処理を並行して行うため。
  4. 周辺装置からの割り込み回数を減らし、コンテキストスイッチのオーバーヘッドを削減するため。
  5. データの順序性を保証し、パケットの再送制御を簡素化するため。
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正解: CPUによるデータ処理と周辺装置による入出力処理を並行して行うため。

正解は『CPUによるデータ処理と周辺装置による入出力処理を並行して行うため。』です。ダブルバッファリングは、2つのバッファを用意し、一方が周辺装置との入出力(DMA転送など)を行っている間に、もう一方のバッファを用いてCPUがデータ処理を行う手法です。これにより、ハードウェアの入出力待ち時間を隠蔽し、システム全体のスループットを向上させることが可能になります。メモリを節約する手法ではなく、むしろメモリを多く消費するトレードオフがありますが、リアルタイム性が求められる組込みシステムで広く採用されています。

例題5制御/リアルタイム設計

優先度継承プロトコル(Priority Inheritance Protocol)に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 実行待ち状態のタスクのうち、デッドラインが最も近いものの優先度を動的に高くするスケジューリングを行う。
  2. 低優先度タスクが共有リソースを保持している間、そのリソースを待っている高優先度タスクの優先度まで、低優先度タスクの優先度を引き上げる。
  3. タスクがリソースを獲得した時点で、そのタスクの優先度をあらかじめ設定されたリソースの上限優先度まで引き上げる。
  4. 共有リソースにアクセスするすべてのタスクの優先度を、システム内の最高優先度まで一律に引き上げる。
  5. 低優先度タスクが共有リソースを使用している間は、すべての割り込みを禁止することで優先度逆転を防ぐ。
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正解: 低優先度タスクが共有リソースを保持している間、そのリソースを待っている高優先度タスクの優先度まで、低優先度タスクの優先度を引き上げる。

正解は「低優先度タスクが共有リソースを保持している間、そのリソースを待っている高優先度タスクの優先度まで、低優先度タスクの優先度を引き上げる。」です。優先度継承プロトコルは、優先度逆転現象を解決するための手法です。低優先度タスクがロックしているリソースを高優先度タスクが要求した際、低優先度タスクの優先度を一時的に高優先度タスクと同じレベルまで引き上げることで、中間の優先度を持つタスクによる割り込み(横取り)を防ぎ、リソースを速やかに解放させます。

例題6デバドラ/IO制御/通信(UART/I2C/SPI/CAN等)

SPI(Serial Peripheral Interface)通信において、モード0(CPOL=0, CPHA=0)が選択されている時のクロックとデータの関係として、適切なものはどれか。

  1. クロックの立ち下がりエッジでデータをサンプリングし、立ち上がりエッジでデータをシフトする。
  2. スレーブ側から任意のタイミングで通信を開始し、マスタがそれに応答する。
  3. CPOL=0, CPHA=0のとき、クロックの立ち上がりエッジでデータをサンプリングする。
  4. クロックの極性を反転させることで、通信速度を2倍に向上させることができる。
  5. 通信に使用される信号線は、SDAとSCLの2本のみである。
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正解: CPOL=0, CPHA=0のとき、クロックの立ち上がりエッジでデータをサンプリングする。

SPI(Serial Peripheral Interface)は、モトローラが提唱した同期式シリアル通信方式です。マスタ・スレーブ方式で動作し、一般的にMISO、MOSI、SCK、SSの4線を使用します。SPIには、クロック極性(CPOL)とクロック位相(CPHA)の設定により4つのモードがあります。正解は『CPOL=0, CPHA=0のとき、クロックの立ち上がりエッジでデータをサンプリングする。』です。モード0では、アイドル時のクロックレベルがLow(CPOL=0)であり、最初のクロック変化(立ち上がり)でデータがラッチ(サンプリング)されます。他の選択肢にある2線式の記述はI2Cの特徴であり、スレーブからの通信開始もSPIの仕様には含まれません。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の重要用語

タスク
リアルタイムOS(RTOS)において、並行して実行される最小の実行単位です。一般的なOSのプロセスやスレッドに相当し、それぞれが独自のスタックやレジスタ情報を保持します。RTOSは複数のタスクを切り替えて実行することで、マルチタスク環境を実現します。各タスクには実行順序を制御するための優先度が割り当てられ、スケジューラによって管理されます。
IEC 61508
電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全に関する国際規格です。あらゆる産業における機能安全の基本規格(基本安全出版物)として位置付けられており、システムに故障が発生しても安全な状態を維持するための考え方や、安全整合性レベル(SIL)を定義しています。組込みシステムの開発プロセス全体を通じた安全管理や検証方法の指針となります。
A/Dコンバータ
温度や電圧などの連続的なアナログ信号を、コンピュータが処理可能な離散的なデジタル信号に変換する回路です。サンプリング(標本化)、量子化、符号化の工程を経て変換されます。分解能(ビット数)が高いほど、より細かく正確な変換が可能になります。エンベデッドシステムにおいて、センサからの情報をマイコンに取り込むために不可欠なコンポーネントです。
デバイスドライバ
ハードウェアを制御し、OSやアプリケーションに対して抽象化されたインターフェースを提供するソフトウェア。特定のハードウェアに依存したレジスタ操作や入出力命令を隠蔽し、上位のソフトウェアがハードウェアの種類を意識せずに操作できるようにする役割を持つ。組込みシステムではリアルタイム性やメモリリソースの制約を考慮した設計が求められる。
ハードリアルタイム
決められた時間内に処理が完了することを厳格に保証する性質。期限を過ぎるとシステム全体に重大な障害や致命的な結果を招く場合を指す。自動車のブレーキ制御や航空機の姿勢制御など、安全性が最優先される組み込みシステムで不可欠な概念である。試験ではソフトリアルタイムとの違いが頻出する。
UART
調歩同期方式によるシリアル通信の規格です。送信と受信で独立した1本ずつの信号線を使用し、クロック信号を共有せずに通信を行います。データフレームにはスタートビット、データ、パリティビット、ストップビットが含まれます。シンプルで低コストなため、デバッグ用のログ出力やマイコン間の低速通信に広く利用されています。
DMA
CPUを介さずに、メモリと周辺機器間、あるいはメモリ間で直接データ転送を行う仕組み。CPUの負荷を軽減し、高速なデータ転送が可能になる。転送終了時にはCPUに割り込みで通知されることが一般的である。大量のデータを扱うストリーミング処理や通信制御において、システム全体のパフォーマンス向上に不可欠な技術であり、バスマスタとして動作する。
IEC 61508
電気・電子・プログラマブル電子機器の機能安全に関する国際規格です。製品の故障により人体や環境に危害を及ぼさないよう、リスクを許容可能なレベルまで低減することを目的としています。後述するISO 26262などの業界固有規格のベースとなる基本規格であり、安全度水準(SIL)という概念を用いて、必要な安全性能のレベルを定義します。試験では機能安全の基本概念として頻出します。

よくある質問

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