船舶 / 小型船舶操縦士

小型船舶操縦士 1級の例題・出題範囲・重要用語

追加学科: 上級運用I / 上級運用II / 上級運用III(海図)

出題範囲

  • 上級運用III(海図作業/測位)
  • 上級運用II(気象・海象)
  • 上級運用I(船位・航法・潮流/潮汐の基礎)

例題に挑戦

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例題1

台風(熱帯低気圧)の構造と性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 台風は温帯低気圧と異なり、中心付近に寒冷前線や温暖前線を伴う構造を持つ。
  2. 台風の進行方向に向かって右側は、台風自身の風と移動速度が加わるため、左側よりも風速が強くなる。
  3. 台風の上層部では、地上付近と同様に時計回りに空気が強く吸い込まれる流れがある。
  4. 台風の眼と呼ばれる中心域では、非常に強い上昇気流によって激しい降雨が絶え間なく続く。
  5. 台風の中心付近では気圧傾度が緩やかであり、風速は中心に向かうほど弱くなる。
解答と解説を見る

正解: 台風の進行方向に向かって右側は、台風自身の風と移動速度が加わるため、左側よりも風速が強くなる。

台風の進行方向に向かって右側は「危険半円」と呼ばれます。これは、台風自身の反時計回りの風の速度と、台風自体の移動速度が重なり合うため、左側の「可航半円」に比べて風速が非常に強くなるからです。正解は「台風の進行方向に向かって右側は、台風自身の風と移動速度が加わるため、左側よりも風速が強くなる。」です。台風は熱帯の高温多湿な空気のエネルギーで発達するため前線を持ちません。また、台風の眼(中心)では気圧が最も低いものの、下降気流が生じているため風が弱く、晴天になることもあります。

例題2

寒冷前線が通過する際、または通過直後の気象変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 海上の湿度が急激に上昇し、広範囲にわたる濃い移流霧が発生しやすくなる。
  2. 層雲や高層雲が広がり、長時間にわたって弱い雨が降り続く。
  3. 気温が急激に上昇し、雨は止んで空が広く晴れ渡る。
  4. 風向が南寄りから西または北寄りに急変し、気温が急激に低下する。
  5. 気圧が急激に低下し続け、風向は南寄りから東寄りに変化する。
解答と解説を見る

正解: 風向が南寄りから西または北寄りに急変し、気温が急激に低下する。

寒冷前線が通過すると、それまでの暖気から冷たい寒気に入れ替わるため、気温が急激に低下し、低下していた気圧が上昇に転じます。また、風向は一般的に南寄りから西または北寄りに急変するのが大きな特徴です。通過時には積乱雲による短時間の強い雨や雷、突風を伴うことが多いです。正解は「風向が南寄りから西または北寄りに急変し、気温が急激に低下する。」です。なお、長時間にわたる弱い雨や層雲は、一般的に温暖前線の通過前に見られる気象現象です。

重要用語

漸進緯度図法
メルカトル図法とも呼ばれ、海図で最も一般的に使用される投影法です。経緯線が直交し、等角航路が直線で表されるため、航海計画や位置の記入に非常に便利です。緯度が高くなるほど距離が引き延ばされる特性があるため、海図上の距離を測る際は、測定箇所の近くにある緯度目盛を使用しなければならないという重要なルールがあります。
実測位置
灯台や山などの目標物を観測したり、GPS等を利用したりして得られた船の正確な位置のことです。海図上では点とその周りに丸(◯)を書いて表示します。推測位置とのズレを確認することで、潮流や風による影響を正確に把握でき、安全な航海を継続するための最も重要な基準点となります。
推測位置
最後に確認した実測位置から、針路と速力、経過時間をもとに計算で求めた理論上の船位です。海図上では点とその周りに小さな三角形(△)を書いて表します。風や潮流などの外力の影響を考慮しない位置であるため、実際の位置とは必ずしも一致しませんが、次の測位を行うまでの航走目安として活用されます。
コンパス誤差
真方位と磁気コンパスが指す方位との間に生じる差の合計です。地球の磁場に起因する「偏差」と、船体自体の磁気による「自差」を合わせたものです。海図上の方位は真方位で扱われるため、コンパスで観測した方位を海図に記入する際には、この誤差を正確に加減して補正する必要があります。
磁気偏差
地球の真北と磁北が一致しないために生じる角度の差です。この値は地球上の場所によって異なり、年ごとにわずかに変化(年差)します。海図のコンパスローズにはその海域の偏差と観測年、年差が記載されており、磁気コンパスの読みを真方位に変換する計算の際に必ず使用する数値です。
自差
船体内の金属やエンジン、電装品が発する磁気がコンパスに影響を与えることで生じる誤差です。偏差とは異なり、船首の方位(針路)によって誤差の大きさや向きが変わるのが特徴です。正確な測位のためには、自差表を用いて現在の針路における自差を確認し、方位計算に反映させる技能が求められます。
船位の線
ある目標物を観測した際、自船がその直線上のどこかに位置していることを示す線(LOP)です。例えば、灯台が真北に見える場合、海図上で灯台から真南に引いた線がこれに当たります。一本では位置を特定できませんが、別の目標物から得た線や距離の線と交差させることで、実測位置を特定することができます。
交差方位法
2つ以上の目標物の方位を測定し、海図上に引いた複数の船位の線の交点から自船の位置を求める手法です。1級試験の海図作業における基本かつ最重要の測位法です。目標物同士のなす角が30度から150度(理想は90度)の範囲にある時に精度が高くなり、誤差三角形が生じた場合はその中心を船位と見なします。

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