船舶 / 海技士

海技士(機関)6級の例題・出題範囲・重要用語

機関一般/熱力学・材料/運転・保守/電気・計測・自動化/安全・法規の基礎

出題範囲

  • 安全・法規(国内)
  • 電気/計測/自動化
  • 機関一般(原動機基礎)
  • 熱力学/材料/潤滑
  • 運転・保守

例題に挑戦

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例題1

熱の伝わり方に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

  1. 対流は、固体内部を熱が分子の振動によって移動する現象である。
  2. 輻射は、中間媒体を必要とせず、電磁波として熱が移動する現象である。
  3. 熱放射は、物体が絶対零度の場合にのみ発生する現象である。
  4. 真空状態では、対流による熱移動が最も活発に行われる。
  5. 伝導は、液体や気体の流動によって熱が移動する現象である。
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正解: 輻射は、中間媒体を必要とせず、電磁波として熱が移動する現象である。

正解は「輻射は、中間媒体を必要とせず、電磁波として熱が移動する現象である。」です。熱の伝わり方には伝導、対流、輻射(放射)の3種類があります。伝導は固体などの物質内を熱が伝わる現象、対流は液体や気体の移動に伴って熱が運ばれる現象です。これに対し、輻射は物体から放出される電磁波によって直接熱が伝わるため、真空などの媒体がない状態でも熱が移動できるという特徴を持っています。機関室内の過熱した排気管からの熱気を感じる際など、船舶の現場でも重要な概念となります。

例題2

金属の腐食に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 船体外板の腐食を防ぐために装着される亜鉛板は、防食アルミよりも電位が高い。
  2. ステンレス鋼は、表面に強固な不動態皮膜を形成するため耐食性が高い。
  3. キャビテーションは、機械的な衝撃破壊と化学的な腐食が複合して進行することがある。
  4. 異種金属を接触させると、電位の低い方の金属が腐食しやすくなる。
  5. 海水中の溶存酸素濃度が高いほど、一般に鋼材の腐食速度は速くなる。
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正解: 船体外板の腐食を防ぐために装着される亜鉛板は、防食アルミよりも電位が高い。

正解は「船体外板の腐食を防ぐために装着される亜鉛板は、防食アルミよりも電位が高い。」です。金属の腐食を防ぐ「犠牲陽極法」では、保護したい金属(鉄など)よりも電位が低い(卑な)金属を装着することで、その金属を優先的に腐食させます。亜鉛やアルミニウム合金は鉄よりも電位が低いため、防食に使用されますが、一般的な防食アルミ(アルミニウム合金陽極)は亜鉛よりもさらに電位が低い(あるいは同等で有効性が高い)特性を持っています。記述の内容は金属の電位列の関係から不適切といえます。

重要用語

船舶職員及び小型船舶操縦者法
船舶の安全な航行を確保するため、船舶職員の資格や定員、遵守事項を定めた法律です。6級海技士の資格もこの法律に基づいています。乗船する船の種類や大きさに応じて、必要な海技免状や履歴が定められており、無免許での乗船や基準に満たない人員配置は厳しく禁止されています。海技士として実務に就くための根幹となる法律です。
船舶安全法
船舶の構造、設備、航行区域などの安全基準を定め、人命や財産の安全を確保することを目的とした法律です。この法律に基づき、船舶は定期的な検査を受ける義務があり、合格しなければ航行できません。機関部においては、主機関や補助機械の動作確認、防火設備の点検などが重要な検査対象となり、船舶の堪航性を維持するための基準となります。
定期検査
船舶安全法に基づき、船の安全を確保するために一定の間隔で行われる最も詳細な検査です。初めて航行するときや、有効期間が満了した際に行われます。合格すると船舶検査証書が交付されます。機関部では、エンジンの分解整備や各機器の性能試験が行われ、長期間の航海に耐えうる状態かを確認します。6級海技士も現場で検査の立ち会いや準備に関わります。
海技免状
海技士としての職務を行うために必要な国家免許証です。試験に合格し、一定の乗船履歴を満たすことで交付されます。有効期間は5年で、更新には講習の受講や一定の履歴が必要です。6級海技士(機関)の免状を持つことで、定められた範囲内の船舶において機関長や機関士として乗務することが可能になり、法的に技術的能力が証明されたことを意味します。
海上衝突予防法
海上での船舶同士の衝突を防ぐための国際的なルールに基づいた法律です。全ての船舶が守るべき航法、灯火、形象物、信号などが定められています。機関部員であっても、当直中や緊急時の対応、他船との位置関係を把握するために、この法律に定められた避航信号や灯火の知識を持つことは、船全体の安全運行をサポートする上で非常に重要です。
航行区域
船舶が航行できる海域の範囲のことで、船舶安全法により「平水」「沿海」「近海」「遠洋」の4種類に区分されています。船舶の構造や設備に応じて指定され、指定された区域を超えて航行することはできません。6級海技士が活躍する船舶の多くは、平水区域や沿海区域を主な活動範囲としており、その範囲に応じた法定備品や資格要件が適用されます。
船舶法
日本の船舶の国籍を証明し、所有権などを明確にするための法律です。この法律により、20トン以上の船舶には日本国籍を示す「船舶国籍証書」の受有が義務付けられています。また、船籍港の決定や船名の表示、総トン数の測度についても定められており、船舶を適切に管理・識別するための基盤となる法律です。国籍の証明は国際航海においても重要な役割を果たします。
海難審判法
海難事故が発生した際に、その原因を究明し、再発を防止することを目的とした法律です。事故の原因が海技士の故意や過失によるものであると判断された場合、海難審判所によって免状の業務停止や戒告などの懲戒処分が下されます。刑事罰を目的とする裁判とは異なり、事故の原因を専門的な見地から明らかにし、今後の安全運航に役立てるための行政処分としての側面を持ちます。

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