船舶 / 海技士

海技士(機関)5級の例題・出題範囲・重要用語

原動機(ディーゼル/蒸気)/電気・制御/機関保守/機関計画・運用/安全・法規

出題範囲

  • 運用・工程/機関計画
  • 機関保守/故障診断
  • 安全・法規
  • 電気・制御・計測
  • 原動機(構造・理論)

例題に挑戦

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例題1

船員法に基づき、船長が船内の規律を維持するために行うことができる処置として、正しいものはどれか。

  1. 船員が個人的に所有する酒類の持ち込みを、量に関わらず全面的に許可する。
  2. 船員の私物を確認するため、事前の通告なく全居住区を一斉に捜索する。
  3. 船員の家族に対しても、船内規則の遵守と日課の遂行を強制する。
  4. 船員の給料を減額し、不足している船舶の備品購入費用に充てる。
  5. 船内の秩序を乱すおそれのある者に対し、上陸を制限する。
解答と解説を見る

正解: 船内の秩序を乱すおそれのある者に対し、上陸を制限する。

船員法第21条に基づき、船長は、船内にある者が船内の秩序を乱し、若しくは船舶の安全を害するおそれがあるときは、その者に対して上陸を制限し、又は船舶から去ることを命ずることができます。正解は「船内の秩序を乱すおそれのある者に対し、上陸を制限する。」です。これは航海の安全と船内の規律を維持するために船長に与えられた正当な権限です。一方で、事前の通告なしに居住区を捜索することや、給料を船体が損傷した際の修繕費に充てるなどの行為は、法的に認められていないか、厳格な手続きが必要です。

例題2

「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」において、船舶からの油の排出が禁止されていない(例外的に認められる)ケースとして、誤っているものはどれか。

  1. 海上の人命を救助するため、やむを得ず排出する場合。
  2. 船体の損傷により油が排出し、直ちにその継続的な排出を防ぐための措置を講じた場合。
  3. 貨物油の積み付けに支障をきたすため、空荷の際にビルジを排出する場合。
  4. 船舶の安全を確保するため、やむを得ず排出する場合。
  5. 海上保安庁長官の承認を受けて、油の消滅等に関する試験を行う場合。
解答と解説を見る

正解: 貨物油の積み付けに支障をきたすため、空荷の際にビルジを排出する場合。

「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」では、船舶からの油の排出は原則として禁止されています。ただし、船舶の安全確保、人命救助、または衝突等による不可抗力の損傷に伴う排出で、直ちにその継続的な排出を防ぐための措置を講じた場合などは例外として認められます。しかし、単なる荷役の都合やビルジの蓄積を理由とした排出は一切認められていません。正解は「貨物油の積み付けに支障をきたすため、空荷の際にビルジを排出する場合。」です。このような場合は、油水分離装置等による適切な処理を経た上で基準に従い排出する必要があります。

重要用語

試運転
新造船の完成時や主機関の重大な整備後に行われる試験のことです。最大速力、燃料消費量、操縦性能などを確認し、設計通りの性能が発揮されているかを検証します。海技士試験では、試験の目的や確認項目が問われることが多く、機関の安全性を最終確認するための重要なプロセスとして位置づけられています。
負荷テスト
機関に対して異なる負荷をかけ、それぞれの状態での排気温度、冷却水温、燃焼状態などを測定する試験です。エンジンの性能特性を把握し、過負荷状態での異常がないかを確認します。運用計画において、安全な連続最大出力の範囲を決定するための基礎データとなり、機関の健康状態を診断する重要な手段です。
燃料消費率
機関が単位出力を1時間維持するために消費する燃料の重量を示す指標です。通常「g/kW・h」などの単位で表されます。この数値が低いほど燃費性能が良いことを意味し、航海計画における燃料搭載量の算出や、機関の経年劣化による効率低下を判断するための重要な基準として試験でも頻出します。
定期検査
船舶安全法に基づき、一定期間ごとに行われる機関や船体の精密な検査のことです。主機関、補助機関、ボイラーなどの重要機器を分解・点検し、航海の安全に支障がないかを確認します。5級海技士としては、検査の周期や準備すべき書類、立ち会い時の注意点などを正しく理解しておくことが求められます。
保守点検
機関の故障を未然に防ぎ、性能を維持するために行われる日常的な活動です。メーカーが指定する運転時間や期間に基づき、オイル交換、フィルター清掃、各部の計測などを行います。計画的な保守点検は、突発的な事故を防ぐだけでなく、機器の寿命を延ばし、安全な運航を継続するために不可欠な工程管理の一部です。
予備品
航海中に機関が故障した際、速やかに交換・修理を行うために船内に備え付けておく交換部品のことです。ピストンリングや燃料噴射弁などが含まれます。法的に備え付けが義務付けられているものもあり、在庫管理や保管状態の確認は、機関士の重要な任務の一つとして試験においてその管理計画が問われます。
修繕計画
船舶のドック入や長期停泊時に合わせて行われる、機関の整備や部品交換のスケジュール案のことです。予算、部品の手配、作業員の確保などを考慮して策定されます。効率的な修繕を行うことで、船の稼働率を高めるとともに、大規模な故障を未然に防ぐことができます。機関管理における計画性の重要さを示す概念です。
安全管理規程
船舶の安全な運航と環境保護を目的として、船社が策定する運営マニュアルです。機関室における作業手順、緊急時の対応、報告連絡体制などが具体的に定められています。5級海技士は、この規程を遵守し、計画に基づいた作業を行うことで、人為的ミスによる事故を防止する役割を担っていることを理解する必要があります。

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