出題範囲
- 関係法規(測量法/建築基準法 等)
- 民法(物権/担保物権等)
- 測量・作図(座標/図面作成)
- 不動産登記法(表示に関する登記)
例題に挑戦
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例題1
占有権の取得と消滅に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らし、正しいものはどれか。
- 占有者が占有の意思を放棄したときは、占有権は消滅する。
- 自己の占有に前占有者の占有を併せて主張する場合、その瑕疵をも承継するが、期間の計算においては前占有者の期間を含めることはできない。
- 代理占有は、本人が代理人に対して占有を止める意思を表示しただけでは、直ちに消滅することはない。
- 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えが確定した時から悪意の占有者とみなされる。
- 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対しては、その承継人が侵奪の事実を知っていたとしても、提起することができない。
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正解: 占有者が占有の意思を放棄したときは、占有権は消滅する。
正解は「占有者が占有の意思を放棄したときは、占有権は消滅する。」です。民法203条は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失ったときは、占有権は消滅すると規定しています。他の選択肢について、代理占有は本人が代理人に占有を止める意思を表示することで消滅します(204条1項1号)。善意の占有者が本権の訴えで敗訴すると、訴えの「提起の時」から悪意の占有者とみなされます(189条2項)。占有回収の訴えは、侵奪の事実を知っていた特定承継人(悪意の承継人)に対して提起可能です(200条2項)。占有の承継において前占有者の占有を併せて主張する場合、その期間も通算して算定します(187条1項)。
例題2
抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らし、誤っているものはどれか。
- 抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体となっている物に及ぶが、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りではない。
- 建物に抵当権を設定した後に、その建物の備え付けられた建具(従物)が取り外されて搬出された場合、抵当権者は、搬出先において抵当権の効力を第三者に対抗できる。
- 抵当権の設定後に抵当不動産を賃借した者は、その賃貸借について抵当権者全員の同意があり、かつその同意の登記がある場合に限り、競売による買受人に賃借権を対抗できる。
- 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権を譲渡することができる。
- 抵当不動産の第3取得者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を払い込んだときは、抵当権はその取得者のために消滅する。
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正解: 建物に抵当権を設定した後に、その建物の備え付けられた建具(従物)が取り外されて搬出された場合、抵当権者は、搬出先において抵当権の効力を第三者に対抗できる。
正解は「建物に抵当権を設定した後に、その建物の備え付けられた建具(従物)が取り外されて搬出された場合、抵当権者は、搬出先において抵当権の効力を第三者に対抗できる。」です。判例によれば、抵当権の効力が及ぶ従物が不動産から分離されて搬出された場合、その搬出先においては、抵当権の効力を第三者に対抗することはできません(対抗要件としての公示を欠くため)。他の選択肢はすべて正しい記述です。付加一体物への効力(370条)、抵当権の処分(376条)、代価弁済による抵当権の消滅(378条)、賃貸借の対抗(387条)に関する規定に基づいています。
重要用語
- 物権変動
- 物権の発生、変更、消滅を指す。民法では、不動産に関する物権の得喪及び変更は、登記をしなければ第三者に対抗できないとされる。土地家屋調査士試験では、いつ物権が移転するか、登記がどのタイミングで必要になるかという点が、土地の境界や所有権の特定において非常に重要な基礎知識となる。
- 占有権
- 自己のためにする意思を持って物を所持することによって取得する権利。本権(所有権等)の有無を問わず、現実に支配している状態を保護する。土地の境界紛争において、長年その土地を占有していた事実が時効取得の基礎となるため、土地家屋調査士にとっても現況把握と占有の事実確認は実務上、極めて重要な意味を持つ。
- 相隣関係
- 隣接する土地の所有者同士が、互いの土地利用を調節するための法律関係。囲繞地通行権や枝の切除、根の切取りなどが含まれる。土地の境界を確定する際や分筆登記などを行う際、隣地との境界立会いや利害調整が必要になるため、土地家屋調査士の実務と非常に密接に関わる規定であり、試験でも頻出する重要項目である。
- 地役権
- 設定行為で定めた目的に従い、他人の土地(承役地)を自分の土地(要役地)の便益のために利用する権利。通行地役権などが代表的。登記可能な物権であり、土地の測量や登記申請を行う土地家屋調査士にとって、現地の状況と登記記録を照合し、地役権の有無や範囲を確認することは不可欠な業務の一つである。
- 抵当権
- 債務者または第三者が占有を移さずに、債権の担保として供した不動産から、債権者が優先的に弁済を受ける権利。土地や建物に設定される代表的な担保物権である。土地家屋調査士が土地の分筆や合筆の登記を行う際、抵当権者の承諾が必要になる場合があるなど、登記実務上の手続きに直接関係するため、正確な理解が求められる。
- 留置権
- 他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留め置くことができる権利。法定担保物権の一つであり、登記はできない。土地家屋調査士試験においては、質権や抵当権との違い、成立要件(物と債権の牽連性など)が問われる。建物の修理代金債権に基づく建物の留置などが代表的な例である。
- 法定地上権
- 抵当権設定時に土地と建物が同一所有者に属し、競売によって別々の所有者となった場合に、法律上当然に成立する地上権。土地家屋調査士は建物滅失登記や表題登記等に関わるが、土地と建物の権利関係の複雑さを理解する上で重要。成立要件(更地への設定ではないか等)は、土地の評価や権利の帰属を判断する際の難所となる。
- 即時取得
- 動産を平穏・公然・善意・無過失で占有し始めた者は、前主が無権利者であってもその動産の所有権を取得する制度。不動産には適用されない。土地家屋調査士の業務対象は不動産であるが、民法の全体像を把握する上で、不動産登記には公信力がないこととの対比として、この動産独自の制度を理解しておく必要がある。
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