出題範囲
- 書式・実務
- 海上運送法
- 船舶法/船員法
- 海事法規・手続
- 入管/関税/検疫
例題に挑戦
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例題1
海上運送法第5条に規定される「一般旅客定期航路事業の許可基準」に関する記述のうち、海上運送法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
- その他当該事業の開始が公共の福祉を阻害するおそれがないこと。
- 船舶の繋留施設の使用について、港湾管理者等の承諾を得ていること。
- 当該事業の計画が輸送の安全に関し国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
- 当該航路において輸送力の供給が輸送需要に対して著しく過剰にならないこと。
- 当該事業を自ら適確に遂行するに足りる能力を有するものであること。
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正解: 当該航路において輸送力の供給が輸送需要に対して著しく過剰にならないこと。
正解は「当該航路において輸送力の供給が輸送需要に対して著しく過剰にならないこと。」です。海上運送法第5条には、事業の許可基準として「輸送の安全(第1号)」「遂行能力(第2号)」「繋留施設の使用承諾(第3号)」「公共の福祉(第4号)」が定められています。かつて存在した「需給調整(需給のバランス)」に関する基準は、規制緩和の流れを受け現在は撤廃されているため、この選択肢の内容は現在の許可基準には含まれていません。
例題2
一般旅客定期航路事業者が、その実施しようとする運賃及び料金を定めようとする際の手続きとして、海上運送法第8条に基づき正しいものはどれか。
- 特段の届出や認可を必要とせず、自由に定めることができる。
- 国土交通大臣の認可を受けなければならない。
- 実施の前に地方運輸局長の承認を得なければならない。
- あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。
- 実施後30日以内に国土交通大臣に届け出なければならない。
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正解: あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。
正解は「あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。」です。海上運送法第8条第1項により、一般旅客定期航路事業者は、運賃及び料金を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならないと定められています。これは認可制(事前の審査と許可)ではなく、事前届出制(あらかじめ知らせる)である点に注意が必要です。ただし、不当な差別的取扱いや利便を著しく阻害する場合には変更命令の対象となります。
重要用語
- 定期航路事業
- 一定の航路において、あらかじめ定められたスケジュールに従って船舶を運航し、旅客や貨物を運送する事業のこと。主に一般旅客定期航路事業と対外旅客定期航路事業に分類される。事業を開始するには国土交通大臣の許可または届出が必要であり、公共性が高いため、運賃の掲示や運送約款の認可など、利用者保護のための厳しい規制が設けられている。
- 不定期航路事業
- 定期航路事業以外の海上運送事業で、特定の航路やスケジュールに縛られず、荷主や旅客の需要に応じてその都度契約を結び運送を行う事業。貨物不定期航路事業などが該当する。定期航路に比べて規制は比較的緩やかであるが、一定の船舶を保有して事業を行う場合には、国土交通大臣への届出が必要となる。機動的な運送を可能にする形態である。
- 船舶貸渡業
- 他人に対して船舶の貸渡し(裸傭船、定期傭船)や運航の委託を行う事業のこと。自らは運送契約の主体とならず、船舶という資材を提供することが主眼となる。海上運送法に基づき、一定以上の大きさの船舶を貸し渡す事業を営む者は、国土交通大臣への届出が義務付けられている。海事産業を支える基盤的な役割を担っており、船舶の効率的な運用に寄与する。
- 旅客不定期航路事業
- 特定の航路に定められたスケジュールによらず、旅客の需要に応じて船舶を運航し、運送を行う事業。観光船やチャータークルーズなどが代表例である。この事業を営むには国土交通大臣の許可が必要であり、安全確保のために船舶の定員管理や運行管理者の選任などが厳格に定められている。定期航路とは異なり、利用者の個別ニーズに対応した柔軟な運用が特徴である。
- 安全管理規程
- 海上運送事業者が輸送の安全を確保するために策定し、遵守しなければならない社内規定のこと。輸送の安全に関する方針、組織体制、連絡網、事故発生時の対応手順などを盛り込む必要がある。国土交通大臣への届出が義務付けられており、変更した際も同様の手続きが必要となる。PDCAサイクルを通じて、組織全体で安全レベルを継続的に向上させることが目的である。
- 運行管理者
- 船舶の安全な運航を管理するために、海上運送事業者が選任しなければならない責任者のこと。一定の乗船経験や実務経験、または指定の講習修了などの資格要件を満たす必要がある。気象・海象の把握、船舶の出航判断、事故時の連絡体制の指揮など、現場における安全確保の核心を担う。安全管理規程に基づき、適正な業務遂行を行うことが求められる。
- 標準運送約款
- 国土交通大臣が定めて公示する、海上運送契約の標準的な契約条項のこと。事業者が自ら独自の約款を作成し認可を受ける代わりに、この標準約款を採用することで、手続きを簡素化できる。運賃の支払い、責任の範囲、免責事項などが公正に定められており、利用者と事業者の間のトラブルを未然に防ぎ、取引の透明性と安定性を確保する役割を果たす。
- 一般旅客定期航路事業
- 定期航路事業のうち、湖、沼、河川または特定の区域以外の海域において、スケジュールを定めて旅客を運送する事業。離島航路や長距離フェリーなどが該当する。公共交通機関としての性質が極めて強いため、事業の開始には国土交通大臣の許可が必要。供給過剰による経営悪化を防ぎ、航路の維持と安全を確保するため、参入や廃止に関して厳格な規制が適用される。
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