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弁理士(短答)の例題・出題範囲・重要用語

知的財産(特許/実用/意匠/商標/条約)— 短答式

出題範囲

  • 意匠法
  • 特許法・実用新案法
  • 工業所有権に関する条約
  • 商標法

例題に挑戦

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例題1

パリ条約における優先権に関する記述のうち、条約の規定に照らし、正しいものはどれか。

  1. 特許出願において優先権を主張するための期間は、最初の出願の日から6箇月である。
  2. 同盟国においてなされた最初の出願が方式不備により後に却下された場合、その出願に基づく優先権は遡及的に消滅する。
  3. 実用新案登録出願に基づく優先権を主張して特許出願を行うことは、パリ条約の規定上認められていない。
  4. 優先権を主張してなされた後の出願の出願人は、最初の出願の出願人と同一人物である必要はなく、いかなる第三者であっても承継を証明せずに優先権を行使できる。
  5. 同盟国において正規にされたすべての国内出願は、優先権を生じさせるものと認められる。
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正解: 同盟国において正規にされたすべての国内出願は、優先権を生じさせるものと認められる。

正解は「同盟国において正規にされたすべての国内出願は、優先権を生じさせるものと認められる。」です。パリ条約第4条A(2)によれば、同盟国の国内法や二国間・多国間条約により正規の国内出願とされるものはすべて優先権を生じさせます。また、同条A(3)では、正規の国内出願とは、その後の結果(却下や拒絶等)がどうであれ、その国に出願をした日を確定するために十分な出願を指すと定義されています。したがって、出願が後に却下されたとしても優先権の発生自体は妨げられません。優先期間については特許は12箇月、意匠・商標は6箇月とされており、実用新案に基づく特許への優先権主張も条約第4条E(2)により認められています。

例題2

知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)における最恵国待遇に関し、正しいものはどれか。

  1. 最恵国待遇の原則は、著作権に関する保護には適用されるが、特許権に関する保護には適用されない。
  2. 最恵国待遇の例外として認められるのは、ベルヌ条約またはローマ条約の規定に基づくものに限定されている。
  3. 最恵国待遇の原則は、加盟国の国民のみならず、その国に住所を有する非加盟国の国民にも一律に適用される。
  4. 他の加盟国の国民に与えるいかなる利益も、WTO発足前に締結されたすべての二国間協定に基づくものであれば、無条件に全加盟国に付与しなければならない。
  5. 司法上の扶助に関する一般的な性質の国際協定から生ずる利益については、最恵国待遇の例外とされる。
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正解: 司法上の扶助に関する一般的な性質の国際協定から生ずる利益については、最恵国待遇の例外とされる。

正解は「司法上の扶助に関する一般的な性質の国際協定から生ずる利益については、最恵国待遇の例外とされる。」です。TRIPS協定第4条(a)では、知的所有権の保護に関し、ある加盟国が他の国の国民に与える利益を全加盟国の国民に即時かつ無条件に付与する「最恵国待遇」を定めていますが、その例外として「司法上の扶助に関する一般的な性質の国際協定から生ずる利益」などを挙げています。その他の例外には、ベルヌ条約やローマ条約の規定に由来するもの、WTO協定発足前に効力を生じている国際協定に由来するものなどがあります。この原則は特定の権利に限定されるものではなく、また無条件に全ての旧協定が適用されるわけでもありません。

重要用語

新規性
特許を受けるための要件の一つで、出願前にその発明が公に知られていないことを指します。公然知られた発明、公然実施された発明、または刊行物に記載された発明などは新規性を失います。ただし、自らの公開から1年以内であれば、特定の条件下で新規性喪失の例外規定(特許法30条)の適用を受けることができ、試験でもこの適用要件や手続の期限が頻繁に問われます。
進歩性
その発明が属する技術分野の通常の知識を有する者(当業者)が、出願時の公知技術に基づいて容易に発明できたものではないことを指します。新規性があっても、単なる周知技術の寄せ集めなどは進歩性が否定され特許されません。短答試験では、主引用例と副引用例の組み合わせの論理付けや、実用新案法における「きわめて容易」という基準との違いが重要となります。
国内優先権
先の出願の内容を基礎として、改良発明などを包含した後の出願を行う際に、判断基準時を先の出願時に繰り上げることができる制度です。先の出願から1年以内に後の出願を行う必要があります。先の出願は、後の出願から1年4ヶ月経過した時に取り下げられたものとみなされます。一部優先や複合優先の可否、優先権主張の対象となる発明の範囲が試験の頻出箇所です。
補正
出願後に明細書や特許請求の範囲などの内容を修正する手続きです。原則として、最初に出願した際の明細書等に記載した事項の範囲内で行う必要があり、これを外れると「新規事項の追加」として拒絶理由となります。補正ができる時期や、拒絶理由通知後の補正における目的外補正の禁止(限定的減縮など)といった制約が、短答試験での正確な知識を問うポイントとなります。
分割出願
二つ以上の発明を含む一つの特許出願の一部を、新たな一または二以上の特許出願として分離する手続きです。適法な分割が行われると、分割後の出願は元の出願の時にしたものとみなされます。拒絶理由を受けた際、問題のない発明を分離して早期権利化を図るなどの戦略に用いられます。時期的要件や、元の出願の明細書の範囲内であるかといった実体的要件が試験で重視されます。
特許異議の申立て
特許公報の発行から6ヶ月以内に限り、何人でも特許庁長官に対して特許の取り消しを求めることができる制度です。公益的見地から特許の瑕疵を早期に是正することを目的としています。無効審判が当事者対立構造をとるのに対し、異議申立ては審判官と特許権者の対話形式で進む書面審理が原則です。申立人適格や対象となる理由、決定に対する不服申し立ての可否が頻出です。
判定
特許発明の技術的範囲について、特許庁に公的な見解を求める制度です。侵害訴訟における争いや、ライセンス交渉時の範囲確認などに利用されます。三人一組の審判官によって行われ、判定の結果には法的拘束力はありませんが、特許庁の専門的な判断として高い証拠価値を持ちます。特許権者だけでなく利害関係人も請求可能であり、実用新案、意匠、商標の各法にも準用されています。
実用新案技術評価
実用新案権が有効であるかについて、特許庁が先行技術を調査し客観的な判断を示す報告書です。実用新案は無審査で登録されるため、権利の安定性を欠く可能性があります。そのため、権利行使(警告や提訴)を行う際には、必ずこの技術評価書を提示しなければなりません。評価書の内容に関わらず権利行使は可能ですが、後に登録が無効となった場合は損害賠償責任を負うリスクがあります。

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