公務員・採用試験 / 公務員(事務系)

国家公務員 一般職(大卒程度)の例題・出題範囲・重要用語

教養(一般知能/一般知識)+専門(法律/経済/行政系)

出題範囲

  • 教養:数的処理(数的推理/判断推理/資料解釈/空間把握)
  • 教養:文章理解(現代文/英文/古文)
  • 教養:社会科学
  • 教養:人文科学
  • 教養:自然科学
  • 専門:憲法
  • 専門:民法
  • 専門:行政法
  • 専門:刑法
  • 専門:行政学
  • 専門:政治学
  • 専門:経済学(ミクロ/マクロ)
  • 専門:財政学/経済政策
  • 時事

例題に挑戦

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例題1

リカードの等価定理(中立命題)に関する記述として、最も妥当なものはどれか。

  1. 政府支出の財源を公債発行によって賄った場合、将来の増税が予見されるため、家計は現在の消費を拡大させる。
  2. 家計が将来の増税を完全に予見し、合理的に生涯所得を考慮して行動する場合、公債発行と増税のどちらを選択しても経済効果は等しくなる。
  3. 公債発行による財政赤字の拡大は、現世代から将来世代への所得移転を引き起こし、総需要を恒久的に増加させる。
  4. 遺産動機を持たない家計を想定した場合、公債発行による現在の減税は将来の負担と見なされないため、消費に影響を与えない。
  5. 流動性制約に直面している家計が多数存在する場合においても、リカードの等価定理は常に成立する。
解答と解説を見る

正解: 家計が将来の増税を完全に予見し、合理的に生涯所得を考慮して行動する場合、公債発行と増税のどちらを選択しても経済効果は等しくなる。

正解は「家計が将来の増税を完全に予見し、合理的に生涯所得を考慮して行動する場合、公債発行と増税のどちらを選択しても経済効果は等しくなる。」です。リカードの等価定理(中立命題)とは、政府支出の規模が一定であれば、その財源を増税で賄っても公債発行で賄っても、家計の生涯所得に変化はないため、現在の消費行動や経済全体への影響は変わらないという理論です。この理論が成立するためには、家計が合理的に将来を予見すること、資本市場が完全であること、また将来世代への遺産動機が存在することなどの厳しい前提条件が必要とされます。現実には流動性制約(所得不足で借入れができない状態)などがあるため、必ずしも成立するわけではありませんが、財政学の基本的な理論として重要です。

例題2

租税の原則と性質に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 水平的公平とは、等しい経済的負担能力を持つ者には、等しい税を課すべきであるという考え方である。
  2. 法人税は、企業の利益の有無にかかわらず、全ての法人に対して均等な額を課す応益原則のみに基づいた税である。
  3. 所得税における累進課税制度は、景気変動を自動的に安定させるビルト・イン・スタビライザーとしての機能を持つ。
  4. 消費税は、所得に対する税負担率が低所得者ほど高くなる傾向があり、逆進性を持つとされる。
  5. 直接税は、納税義務者と実際に税を負担する担税者が一致することを予定している税である。
解答と解説を見る

正解: 法人税は、企業の利益の有無にかかわらず、全ての法人に対して均等な額を課す応益原則のみに基づいた税である。

正解は「法人税は、企業の利益の有無にかかわらず、全ての法人に対して均等な額を課す応益原則のみに基づいた税である。」です。法人税の主たる部分は法人の所得(利益)に対して課されるものであり、これは「応能原則(支払い能力に応じて負担する原則)」に基づいています。一部、地方税である法人住民税の均等割などは応益原則的な側面を持ちますが、法人税全体を「応益原則のみに基づいた税」とする記述は誤りです。他の選択肢については、水平的公平、消費税の逆進性、所得税の自動安定化装置機能、直接税の定義など、いずれも租税理論として適切な記述です。国家公務員試験では、このように基本的な用語の定義や性質を問う問題が頻出するため、正確な理解が求められます。

重要用語

三権分立
国家権力の肥大化や濫用を防ぎ、国民の権利を守るため、権力を立法(国会)・行政(内閣)・司法(裁判所)の三つに分ける制度です。それぞれが独立し、互いに抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)を図ることで、民主主義の適正な運営を期しています。日本の憲法でも採用されており、試験では各機関の具体的な権限や相互の抑制関係が頻出ポイントとなります。
違憲審査制
法律や行政処分が憲法に違反していないかを裁判所が審査し、判断する権限のことです。最高裁判所は「憲法の番人」と呼ばれ、終審裁判所として最終的な判断を下します。日本では、具体的な訴訟事件の解決のために必要な範囲で憲法判断を行う「付随的違憲審査制」が採られています。人権保障の最後の砦として、司法の役割を理解する上で極めて重要な概念です。
議院内閣制
内閣が国会の信任に基づいて成立し、国会に対して連帯して責任を負う政治制度です。日本の内閣総理大臣は国会議員の中から指名され、閣僚の過半数は国会議員でなければなりません。また、衆議院で内閣不信任決議が可決された場合、内閣は総辞職するか衆議院を解散しなければならないなど、立法府と行政府の密接な協力と均衡を特徴としています。
比較生産費説
デヴィッド・リカードが提唱した国際分業の理論です。各国が自国で相対的に生産効率の高い(比較優位にある)製品の生産に特化し、それを互いに交換することで、両国ともにより多くの利益を得られるという考え方です。絶対的な生産コストが高い国であっても、比較優位を持つ商品があれば貿易のメリットが生じるとされており、現代の自由貿易を正当化する理論的根拠となっています。
市場の失敗
市場メカニズムがうまく働かず、資源配分が効率的に行われない状態を指します。主な要因には、独占や寡占による競争の不全、公害などの外部不経済、公共財(道路や公園)の供給不足、情報の非対称性などが挙げられます。このような場合には、政府が介入して規制を行ったり、公共サービスを直接提供したりすることで、資源配分の適正化を図ることが求められます。
国内総生産(GDP)
一定期間内に国内で新たに生み出された付加価値の合計額のことです。国の経済活動の規模を測る代表的な指標であり、その増減率が経済成長率として示されます。以前は国民の所得を重視するGNPが使われていましたが、現在は国内の景気動向をより正確に反映する指標としてGDPが主流です。生産・分配・支出の各面で額が等しくなる「三面等価の原則」も重要な知識です。
社会保障の四本柱
日本の社会保障制度を構成する「社会保険」「公的扶助」「社会福祉」「公衆衛生」の4つの分野を指します。社会保険は年金や医療など加入者が保険料を払う仕組み、公的扶助は生活保護、社会福祉は児童や高齢者への援助、公衆衛生は感染症対策などを担います。それぞれの役割や、自助・公助の考え方の違い、財源の構成について整理しておくことが試験対策として不可欠です。
地方自治の原則
地方自治の本旨には「団体自治」と「住民自治」の二つの側面があります。団体自治は地方公共団体が国から独立して行政を行うこと、住民自治は地域住民の意思に基づいて行政を行うことを指します。憲法92条以下に規定があり、首長や議員の直接選挙、条例の制定、住民投票(レファレンダム)など、中央集権を防ぎ民主主義を補完する重要な仕組みとして出題されます。

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