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労働基準監督官(法文系)の例題・出題範囲・重要用語

教養+専門(労働法/社会法/憲法/民法/刑法)

出題範囲

  • 教養(一般知能/一般知識)
  • 労働法/社会法
  • 憲法
  • 民法
  • 刑法

例題に挑戦

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例題1

代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 代理人がその権限内の行為を自己又は第三者の利益を図る目的で行った場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は代理権を有しない者がした行為とみなされる。
  2. 成年後見人は、その職務の性質上、いかなる場合であっても、復代理人を選任することができない。
  3. 代理権を有しない者が他人の代理人として契約をした場合、相手方は相当の期間を定めて、その期間内に追認するかどうかを確答すべき旨を本人に催告することができる。
  4. 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができないが、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為についてはこの限りでない。
  5. 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が、意思の欠缺、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべきときは、その事実の有無は代理人について決する。
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正解: 成年後見人は、その職務の性質上、いかなる場合であっても、復代理人を選任することができない。

正解は「成年後見人は、その職務の性質上、いかなる場合であっても、復代理人を選任することができない。」です。民法106条において、法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができると規定されています。成年後見人は法定代理人であるため、やむを得ない事由がない場合であっても、自己の責任において復代理人を選任することが可能です。したがって、一切選任できないとする記述は誤りです。他の選択肢は、代理権の濫用(107条)、代理行為の瑕疵(101条)、無権代理の催告(114条)、代理人の行為能力(102条)の規定通りです。

例題2

抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例に照らし、妥当なものはどれか。

  1. 抵当権設定後に抵当不動産の占有権限を取得した第三者は、抵当権者の同意を得てその旨の登記をしなければ、抵当権者に対して賃借権を対抗することができない。
  2. 抵当権は、元本のほかに、満期となった最後の3年分の利息についてのみ、その抵当権を行使することができる。
  3. 抵当不動産の第三取得者が、抵当権者の請求に応じてその債権者にその代価を弁済したとしても、抵当権はそのために消滅することはない。
  4. 抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体となっている物には及ぶが、抵当不動産から分離された天然果実には、その差し押さえがあった後であっても及ばない。
  5. 抵当権者は、その債権の弁済期が到来した後は、抵当権を実行することができる。
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正解: 抵当権者は、その債権の弁済期が到来した後は、抵当権を実行することができる。

正解は「抵当権者は、その債権の弁済期が到来した後は、抵当権を実行することができる。」です。民法369条以下に規定される抵当権は、債権を担保するために設定され、主たる債務の弁済期が到来してもなお履行がなされない場合に、抵当権者が目的物を競売にかけるなどして優先弁済を受けることを目的としています。他の選択肢については、果実への効力(371条では差押え後は及ぶ)、抵当権者に対抗できる賃貸借の同意(387条)、利息の制限(375条では最後の2年分)、代価弁済による消滅(378条)に関して、それぞれ法文上の誤りがあります。

重要用語

労働基準法
労働条件の最低基準を定めた法律で、憲法27条に基づき制定されています。この法律で定める基準に達しない労働契約はその部分が無効となり、法所定の基準が適用されます(強行法規性)。労働基準監督官の職務の根拠となる中心的な法律であり、罰則を伴う強制力を持っている点が大きな特徴です。
36協定
労働基準法36条に基づき、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働をさせるために必要な労使協定です。この協定を締結し労働基準監督署長に届け出ることで、時間外労働に対する刑事罰を免れる「免罰的効力」が発生します。現在は働き方改革により、原則として月45時間、年360時間という上限規制が設けられています。
不当労働行為
労働組合法に基づき、使用者が労働者の団結権や団体交渉権などを侵害する行為として禁止されているものです。具体的には、組合員であることを理由とする解雇等の「不利益取扱い」、正当な理由のない「団体交渉拒否」、組合の運営を妨げる「支配介入」、労働委員会への申立てを理由とする「報復的取扱い」の4類型があります。
解雇権濫用の法理
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効とする法理です。労働契約法16条に明文化されています。使用者の解雇権は自由ではなく、厳格な要件を満たす必要があります。試験では整理解雇の4要素(人員削減の必要性、解雇回避努力、選定の妥当性、手続の妥当性)も頻出です。
就業規則
使用者が職場での規律や労働条件について定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する事業場には、作成および労働基準監督署長への届出義務があります。作成の際は過半数組合等の意見を聴取する必要があり、労働者に周知させることで法的拘束力が生じます。法令や労働協約に反する内容は無効となります。
変形労働時間制
一定期間を平均して1週間あたりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲で、特定の日や週に法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。1ヶ月単位、1年単位、1週間単位の非定型的変形労働時間制、およびフレックスタイム制があります。業務の繁閑に合わせた労働時間の配分を可能にし、総労働時間の短縮を図ることを目的とします。
労働者災害補償保険(労災保険)
業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡に対して必要な給付を行う制度です。使用者の過失の有無を問わず、迅速かつ公正な補償を行うことを目的としています。保険料は全額使用者が負担し、原則として労働者を使用するすべての事業に適用されます。監督官は労災認定に関する調査業務も担います。
労働組合
労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善や経済的地位の向上を図るために組織する団体です。労働組合法により、正当な組合活動(団体交渉、争議行為等)については、刑事罰や民事賠償の責任を免除される刑事・民事の免責特権が付与されています。試験では、自主性を欠く組織(御用組合)などが除外される要件も重要です。

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