出題範囲
- 専門:憲法
- 専門:刑法
- 専門:民法
- 総合論文/政策論述
- 専門:国際関係法
- 教養(一般知能/一般知識)
- 専門:行政法
例題に挑戦
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例題1
条約法に関するウィーン条約に規定される「条約の留保」に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 条約が特定の留保のみを認めている場合には、それ以外の留保を行うことは認められない。
- 条約の趣旨及び目的と両立しない留保であっても、締約国の3分の2以上の同意があれば有効な留保として認められる。
- 条約自体に留保に関する規定がない場合、いかなる留保も国際法上禁止されるというのが現在の通説的見解である。
- 留保に対して他の締約国が異議を申し立てた場合、異議を申し立てた国と留保国の間では当該条約全体が当然に発効しない。
- 留保とは、条約の規定のうちの特定の規定を自国に適用しないことを目的として、条約の採択時に行われる一方的宣言のみを指す。
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正解: 条約が特定の留保のみを認めている場合には、それ以外の留保を行うことは認められない。
正解は「条約が特定の留保のみを認めている場合には、それ以外の留保を行うことは認められない。」です。条約法に関するウィーン条約第19条によれば、条約が特定の留保のみを認めている場合や、特定の留保を禁止している場合には、それに反する留保を行うことはできません。また、条約に規定がない場合でも、条約の趣旨及び目的と両立しない留保は禁止されます。異議申し立てについては、異議国が条約の発効自体を反対する意思を明確に示さない限り、留保された規定以外の条約規定は両国間で発効します。したがって、特定の留保のみを許容する条約において他の留保を禁止する本肢が正当です。
例題2
国家責任条約草案に基づく、行為の国家への帰属に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 国内法上、国家の機関として定義されていない団体が行った公権力的行為は、国家がその行為を事後に承認しない限り、国家に帰属することはない。
- 私人が行った行為であっても、その者が実際には国家の指示の下で、あるいは国家の管理の下で行っていた場合には、国家の行為とされる。
- 国家の機関が、その権限を逸脱して、あるいは指示に反して行った行為は、いかなる場合も当該国家の行為とはみなされない。
- 他国に貸与された機関が、貸与を受けた国の公権力の行使に付随して行った行為は、常に貸与した側の国家の行為として帰属する。
- 反乱団体が内戦の結果、新たな政府の樹立に失敗した場合でも、その反乱期間中に行われた国際不法行為の責任は常に新政府が承継する。
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正解: 私人が行った行為であっても、その者が実際には国家の指示の下で、あるいは国家の管理の下で行っていた場合には、国家の行為とされる。
正解は「私人が行った行為であっても、その者が実際には国家の指示の下で、あるいは国家の管理の下で行っていた場合には、国家の行為とされる。」です。国家責任条約草案第8条により、私人の行為であっても、その者が国家の指示、指揮又は管理の下に行動していた場合には、その行為は国家に帰属します(ニカラグア事件、タディッチ事件判決等参照)。一方で、国家の機関が権限を逸脱した「ウルトラ・ヴィレス(権限外行為)」であっても、機関の資格で行動したものであれば国家に帰属します。反乱団体の行為については、その団体が新政府を樹立した場合にのみ、遡及的に国家の行為とみなされます。貸与された機関の行為は、貸与を受けた国の公権力行使のために行動している場合は受入れ国に帰属します。
重要用語
- 罪刑法定主義
- どのような行為が犯罪となり、それに対してどのような刑罰が科されるかは、あらかじめ法律で定められていなければならないという原則です。個人の自由を国家権力の恣意的な行使から守るための刑法の基本原理であり、法律主義、遡及処罰の禁止、類推解釈の禁止などの派生原則を含みます。試験ではこれらの派生原則の具体的な適用範囲や、明確性の原則が重要な論点となります。
- 構成要件
- 刑罰法規において犯罪として規定されている行為の類型のことです。犯罪が成立するためには、具体的な事実がこの構成要件に該当する必要があります。客観的構成要件(実行行為、結果、因果関係)と主観的構成要件(故意、過失)に分けられます。構成要件該当性は犯罪成立の第一段階の判断基準であり、受験上は実行行為の定義や故意の有無を正確に把握することが不可欠です。
- 違法性阻却事由
- 本来は犯罪の構成要件に該当する行為であっても、例外的にその行為が違法ではないとされる特別な事情のことです。刑法上は、正当行為、正当防衛、緊急避難の3つが代表的です。これらの事由が存在する場合、行為の違法性が否定されるため、犯罪は成立しません。試験では、各事由の成立要件、特に正当防衛における「急迫不正の侵害」などの文言解釈が頻出します。
- 責任能力
- 自分の行為の是非を弁別し、その弁別に従って行動を制御する能力のことです。「責任なければ刑罰なし」の原則に基づき、精神障害により能力を欠く心神喪失者や、14歳未満の刑事未成年者は罰せられません。また、能力が著しく減退している場合は心神耗弱として刑が減軽されます。原因において自由な行為の理論など、責任能力の判断時期に関する論点も重要です。
- 因果関係
- 実行行為と発生した結果との間に存在する論理的なつながりのことです。刑法上の責任を問うためには、その行為がなければ結果が生じなかったという「条件関係」に加え、社会通念上その結果が生じることが相当であるといえる「相当因果関係」が必要です。介在事情(第三者の行為や被害者の特異体質など)がある場合に、因果関係が肯定されるかどうかが判例問題でよく問われます。
- 未遂罪
- 犯罪の実行に着手したが、結果が発生しなかった場合を指します。刑法上、未遂を罰する規定がある場合に限り処罰されます。いつの時点で「実行の着手」があったとみなすかの学説(客観的説・主観的説)や、自己の意思で犯罪を中止した場合に刑が減免される「中止犯」の要件、さらには結果発生の可能性が全くない「不能犯」との区別が、試験対策上のポイントです。
- 共犯
- 二人以上の者が協力して犯罪を行うことを指し、共同正犯、教唆犯、幇助犯の3種類があります。特に「共同正犯」は、二人以上が共同して犯罪を実行する意思(共謀)を持ち、それに基づいて実行した際に、全員が正犯として責任を負うものです。実行行為を直接行っていない者が責任を負う「共謀共同正犯」や、共犯関係からの離脱に関する判例知識が頻繁に出題されます。
- 正当防衛
- 急迫不正の侵害に対し、自己または他人の権利を守るため、やむを得ずにした加害行為です。成立すれば違法性が阻却され無罪となります。「急迫」「不正の侵害」「自己または他人の権利を防衛するため」「やむを得ずにした(必要最小限)」の要件が必要です。防衛の程度を超えた「過剰防衛」や、侵害がないのに誤認して防衛した「誤想防衛」など、関連類型との区別が重要です。
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