運転・整備 / 自動車整備士

一級二輪自動車整備士の例題・出題範囲・重要用語

高度診断/電子制御/パワートレイン/車体制御/安全装置

出題範囲

  • 高度診断
  • 車体制御高度
  • パワートレイン高度
  • ADAS/安全
  • 電子制御・ネットワーク

例題に挑戦

スキルサートのAIが生成した演習問題のサンプルです。アプリでは毎週新しい問題が追加されます。

例題1

電子制御システムにおける故障診断(高度診断)の手順のうち、再現性の低い「間欠故障」への対処として、最も適切なものはどれか。

  1. 異常が検知されている回路のセンサーを、正常な車両の部品と暫定的に交換して様子を見る。
  2. ECUの学習値をリセットし、アイドリング状態で放置して自然復旧を待つ。
  3. フリーズフレームデータを確認し、故障発生時のエンジン回転数や吸気圧などの状況を分析する。
  4. ワイヤハーネスを過度な力で引っ張り、断線の有無を導通テスタのみで判定する。
  5. 故障コードの消去を優先し、再点灯するまで実走行テストを繰り返す。
解答と解説を見る

正解: フリーズフレームデータを確認し、故障発生時のエンジン回転数や吸気圧などの状況を分析する。

正解は「フリーズフレームデータを確認し、故障発生時のエンジン回転数や吸気圧などの状況を分析する。」です。高度診断において、再現性の低い間欠故障を特定するためには、ECUに記録されたフリーズフレームデータの活用が不可欠です。これにより、故障が発生した瞬間のエンジン負荷、温度、回転数といった複数のパラメータを同時に把握できるため、不具合が発生しやすい特定の運転条件を絞り込むことが可能になります。単なる導通点検や部品の交換では、原因の特定に至らない場合が多く、データに基づいた論理的な推論が求められます。

例題2

二輪車のCAN(Controller Area Network)通信システムの診断に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. CANバスの通信速度は、配線が長くなるほど高速化する特性を持っている。
  2. CANバスの診断には、一般的なデジタル・マルチメータの直流電圧測定のみで波形分析まで十分に行える。
  3. CAN-HとCAN-Lの電圧差を測定することで、通信データの論理的な「0」と「1」を判定している。
  4. 終端抵抗は通常、通信ラインの両端に並列に配置され、その合成抵抗値は約120Ωである。
  5. 通信ラインが1線断線した場合、即座にすべての通信が遮断され、エンジンは始動不能になる。
解答と解説を見る

正解: CAN-HとCAN-Lの電圧差を測定することで、通信データの論理的な「0」と「1」を判定している。

正解は「CAN-HとCAN-Lの電圧差を測定することで、通信データの論理的な「0」と「1」を判定している。」です。CAN通信は差動電圧方式を採用しており、CAN-HとCAN-Lの電位差(ディファレンシャル電圧)によってビット情報を伝送します。これにより、外部からのノイズが両方のラインに同様に乗ったとしても、電位差には影響が出にくいため、高いノイズ耐性を実現しています。終端抵抗の合成抵抗値は一般的に60Ω(120Ωが2個並列)であり、断線時の挙動もシステムの冗長性により異なるため、他の選択肢は不適切です。

重要用語

スリッパークラッチ
急激なシフトダウン時に発生する過度なエンジンブレーキを逃がす機構です。バックトルクによるリヤタイヤのホッピングやロックを抑制し、車体の安定性を保つ役割があります。クラッチプレートにかかる圧力を一時的に弱めることで、エンジンの回転数と後輪の回転数の差を吸収します。サーキット走行だけでなく、一般道の安全走行にも貢献する重要な高度技術です。
クイックシフター
クラッチ操作やアクセルを戻すことなく、シフトアップやシフトダウンを可能にする電子制御システムです。シフトペダルへの入力をセンサーが検知し、エンジンの点火カットや燃料噴射の制御、または電子制御スロットルの操作を行うことで、駆動力を一瞬だけ抜きスムーズな変速を実現します。変速時間の短縮とライダーの疲労軽減に直結する装備です。
デュアルクラッチトランスミッション
奇数段と偶数段のギアにそれぞれ専用のクラッチを備えた自動変速システムです。一つのクラッチが切れると同時に、もう一つのクラッチが繋がるため、駆動力の途絶がほとんどなく、極めてスムーズで素早い変速が可能です。自動変速モードと手動変速モードを選択でき、ツーリングでの快適性とスポーツ走行時の高いレスポンスを両立しています。
トラクションコントロール
加速時に後輪が空転するのを防ぐ電子制御システムです。前後輪の回転速度差をセンサーで監視し、スリップを検知するとエンジンの出力を制御して最適なグリップ力を維持します。路面状況やバンク角に応じた緻密な制御が行われるようになり、一級整備士の試験では、IMU(慣性計測装置)との連携による高度な姿勢制御の理解が求められます。
可変バルブタイミング機構
エンジンの回転数や負荷に応じて、バルブの開閉タイミングを最適化するシステムです。低速域ではトルクを重視し、高速域では最高出力を高めるように作動します。これにより、全回転域での燃焼効率の向上と排ガス浄化を両立させます。油圧式や電気式の駆動方式があり、パワートレインの高度化においてエンジンの出力特性を決定づける重要な技術です。
二次バランサー
エンジンのピストン往復運動によって発生する振動(主に2次振動)を打ち消すための回転軸です。特に高回転型の多気筒エンジンにおいて、不快な微振動を抑制し、乗り心地の向上と部品の耐久性確保のために採用されます。一級整備士レベルでは、クランクシャフトとの位相関係や、エンジンの振動理論に基づいた精密な理解が必要不可欠です。
ドッグミッション
ギアの側面に設けられた「ドッグ」と呼ばれる突起を噛み合わせることで変速を行う機構です。シンクロメッシュ機構を持たないため、構造がシンプルで頑丈であり、瞬時のギアチェンジが可能です。モーターサイクルでは一般的な形式ですが、高精度な設計と部品の強度管理が求められます。高度な整備では、ドッグの摩耗や噛み合わせ不良の診断技術が問われます。
アシスト&スリッパークラッチ
スリッパー機能に加え、加速時にクラッチプレートの圧着力を高めるアシスト機能を備えた機構です。エンジンからの駆動力がかかるとカムが作動して圧着を強めるため、クラッチスプリングの荷重を下げることができ、軽い力でクラッチレバーを操作できます。ライダーの負担軽減と急減速時の安全性向上を両立させた、現代のパワートレインにおける標準的な高度技術です。

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