医療・介護・福祉 / リハビリテーション

作業療法士国家試験の例題・出題範囲・重要用語

基礎医学/作業療法理論/評価/治療/身体障害/精神障害/発達障害/老年/地域

出題範囲

  • 作業療法評価
  • 老年・地域作業療法
  • 作業療法概論・理論
  • 基礎医学
  • 身体障害領域
  • 発達障害領域
  • 精神障害領域
  • 作業療法治療

例題に挑戦

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例題1

統合失調症の急性期における作業療法の役割として、最も適切なものはどれか。

  1. 過去のトラウマに対する心理教育を行う
  2. 安心できる環境を提供する
  3. 早期の就労に向けて職場実習を行う
  4. 複雑な工程の木工作業を行う
  5. 集団内でのリーダーシップを促す
解答と解説を見る

正解: 安心できる環境を提供する

統合失調症の急性期においては、幻覚、妄想、思考の混乱などにより、患者は極度の不安や過敏な状態にあります。この時期の作業療法では、治療的枠組みの中で刺激を最小限に抑え、患者が安心感を得られるような環境設定や関わりが最優先されます。正解は「安心できる環境を提供する」です。複雑な作業や集団でのリーダーシップ、就労支援などは、病状が安定した回復期以降に段階的に導入されるべき介入であり、急性期には不適切です。

例題2

パーソナル・リカバリー(personal recovery)の概念を説明する文として、最も適切なものはどれか。

  1. 医師の指示通りの服薬を完遂すること
  2. 精神症状が完全に消失し、発症前と同じ状態に戻ること
  3. 人生における意味や目的を見出すこと
  4. 公的な福祉サービスから完全に自立すること
  5. 標準化された認知機能検査で正常値を得ること
解答と解説を見る

正解: 人生における意味や目的を見出すこと

パーソナル・リカバリーは、単なる医学的な寛解(症状の消失)を指すのではなく、障害を抱えながらも本人が希望を持ち、人生の主導権を握って自分らしい有意義な生活を構築していくプロセスを指します。正解は「人生における意味や目的を見出すこと」です。これに対し、症状がなくなることを目指すのは「臨床的リカバリー」と呼ばれます。リカバリーにおいて重要な要素は、自己決定、希望、そして社会的役割の再獲得など多岐にわたります。

重要用語

FIM(機能的独立度評価法)
介護負担量の評価を目的としたADL評価法。セルフケア、排泄、移乗、移動の「運動項目」13項目と、コミュニケーション、社会的認知の「認知項目」5項目の計18項目で構成される。各項目を1点(全介助)から7点(完全自立)の7段階で評価し、合計点は18点から126点となる。実際に「しているADL」を評価するのが特徴である。
Barthel Index(バーセル指数)
ADLの自立度を評価する指標で、食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便、排尿の10項目で構成される。各項目は0、5、10、15点のいずれかで評価され、満点は100点(全自立)となる。簡便で国際的に広く用いられており、能力としての「できるADL」を評価する側面が強いのが特徴である。
MMT(徒手筋力テスト)
検者の手による抵抗や重力を利用して、個々の筋肉や筋群の筋力を評価する手法。評価尺度は0(収縮なし)から5(正常)の6段階が一般的である。重力に抗して全可動域動かせる場合は3、強い抵抗に抗して動かせる場合は5と判定する。神経・筋疾患や整形外科的疾患の評価に不可欠であり、治療プログラムの立案に役立てられる。
ROM(関節可動域測定)
関節が動く範囲をゴニオメーター(角度計)を用いて測定する評価法。自動運動と他動運動の両方を測定する。基本肢位を0度とし、各関節の動きを日本整形外科学会等の基準に従って5度刻みで記録する。関節拘縮や強直の状態、治療効果の判定に用いられる。測定時は、代償動作が出ないよう肢位を適切に固定することが重要である。
Brunnstrom Stage(ブルンストローム・ステージ)
片麻痺の回復過程を評価する指標。脳卒中後の運動機能回復を、共同運動の出現から分離運動の完成までの6段階(Ⅰ〜Ⅵ)で評価する。ステージⅠは弛緩状態で反射も誘発されない。ステージⅢは随意的に共同運動が出現し、ステージⅥはほぼ正常に近い分離運動が可能となる。上肢、手指、下肢の部位ごとにそれぞれ独立して評価を行う。
COPM(カナダ作業遂行測定)
クライエント中心の評価指標で、本人が重要と考える「作業」の遂行度と満足度を評価する。半構造化面接を通して、セルフケア、生産活動、レジャーの領域で問題となっている作業を特定する。特定した作業について、本人が「重要度」を評価し、優先順位の高いものについて「遂行度」と「満足度」を10点満点で自己評価するのが特徴である。
HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)
日本で広く普及している認知症のスクリーニング検査。見当識、記憶、計算、逆唱、言語の流暢性など9つの設問で構成される。30点満点中、20点以下を認知症の疑い(カットオフ値)とする。短時間で実施可能であり、特別な用具を必要としないため、臨床現場や訪問リハビリテーションなどで認知機能の概略を把握するために頻繁に活用される。
AMPS(作業遂行能力測定)
ADL/IADLの質を評価する観察式の評価法。標準化された課題の中から、対象者が慣れ親しんだものを2つ選び実施する。動作を「運動技能」と「プロセス技能」の側面から、効率性、安全性、自立度などを4段階で評価する。コンピュータソフトを用いて評価結果を処理し、更生能力を算出する。作業療法独自の専門性が高い評価指標である。

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