教育・学術 / 学力・教養検定

世界遺産検定 準1級の例題・出題範囲・重要用語

NPO法人 世界遺産アカデミーが認定する世界遺産検定の準1級。日本の全遺産と、世界の主要な遺産約700件が出題範囲。基礎知識・日本の遺産・自然遺産・文化遺産・その他の分野から60問・60分・マークシートで出題される。

出題範囲

  • 世界遺産の基礎知識(条約・制度・概念)
  • 日本の遺産
  • 世界の自然遺産
  • 世界の文化遺産
  • その他(時事・テーマ別・複合遺産 等)

例題に挑戦

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例題1

イタリアの世界遺産『フィレンツェの歴史地区』に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. フィレンツェは、イタリア統一運動後の1865年から1871年までイタリア王国の首都であった。
  2. この遺産は、イタリア国内で最初に登録された世界遺産であり、登録基準 (i), (ii), (iii) が適用されている。
  3. サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の大円蓋(ドーム)を設計したのは、ルネサンス初期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチである。
  4. アルノ川に架かる最古の橋であるヴェッキオ橋は、第二次世界大戦中のドイツ軍の撤退の際にすべて破壊され、戦後忠実に再現されたものである。
  5. ウフィツィ美術館は、もともとローマ教皇の夏の別荘として建設された宮殿を改装したものである。
解答と解説を見る

正解: フィレンツェは、イタリア統一運動後の1865年から1871年までイタリア王国の首都であった。

正解は「フィレンツェは、イタリア統一運動後の1865年から1871年までイタリア王国の首都であった。」です。フィレンツェはルネサンス文化の中心として繁栄しましたが、近代においてもイタリア統一後の暫定的な首都としての役割を担いました。大聖堂のドームを設計したのはフィリッポ・ブルネレスキです。また、ヴェッキオ橋は第二次世界大戦中、フィレンツェで唯一ドイツ軍による破壊を免れた橋として知られています。イタリアで最初の世界遺産はヴァルカモニカの岩絵群です。

例題2

イランの世界遺産『イスファハンのイマーム広場』に関する記述として、正しくないものはどれか。

  1. 19世紀のガージャール朝時代に、現在見られる青を基調とした繊細なタイル装飾の大部分が完成した。
  2. 広場を囲む建物の2階部分はバザール(商店街)になっており、現在も多くの商活動が行われている。
  3. かつて「王の広場」と呼ばれたこの場所は、礼拝だけでなくポロの競技場としても利用されていた。
  4. 広場の西側に位置するアーリー・カプ宮殿は、王が広場での催しを見物するためのバルコニーを備えている。
  5. この広場はサファヴィー朝のシャア・アッバース1世によって、遷都に伴う都市計画の一環として建設された。
解答と解説を見る

正解: 19世紀のガージャール朝時代に、現在見られる青を基調とした繊細なタイル装飾の大部分が完成した。

正解は「19世紀のガージャール朝時代に、現在見られる青を基調とした繊細なタイル装飾の大部分が完成した。」です。イマーム広場の建築物や特徴的なタイル装飾は、17世紀のサファヴィー朝最盛期、シャア・アッバース1世の時代に完成しました。この時代、イスファハンは「世界の半分」と称えられるほど繁栄しました。ガージャール朝はそれより後の時代の王朝です。他の選択肢、ポロの競技場としての利用やアーリー・カプ宮殿の記述はすべて正しいです。

重要用語

世界遺産条約
1972年のユネスコ総会で採択された、文化遺産と自然遺産を人類共通の財産として保護・保全することを目的とした国際条約。正式名称は「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」。締約国には遺産の保護義務が課され、世界遺産基金への拠出や、自国内の遺産を保護するための国内法整備が求められる。自然と文化を一つの条約で保護する点が画期的とされる。
真正性(オーセンティシティ)
文化遺産が、その意匠、素材、機能、伝統などの面で、創建当時からの価値を嘘偽りなく継承していることを指す概念。1994年の「奈良会合」において、日本のような木造建築文化を考慮し、修復において部材の交換が行われても伝統的な技術や形状が維持されていれば真正性が認められるという、文化的背景に応じた柔軟な解釈が国際的に合意された。
完全性(インテグリティ)
遺産が「顕著な普遍的価値」を構成するのに必要な要素をすべて含んでおり、適切な面積が確保されていることや、開発等の悪影響を受けずに良好な状態で維持されていることを指す。かつては自然遺産のみの条件であったが、現在は文化遺産を含むすべての世界遺産に適用される。遺産価値を将来にわたって維持するための管理体制の有無も評価の対象となる。
顕著な普遍的価値(OUV)
国家の境界を超え、人類全体にとって現在および将来の世代に共通した重要性を持つほどの、傑出した価値のこと。世界遺産に登録されるための核心的な要件であり、10項目の「登録基準」のいずれか一つ以上に合致し、かつ真正性と完全性の条件を満たし、適切な保護管理体制が整っている場合にのみ、この価値があると認められる。
登録基準
遺産が「顕著な普遍的価値」を持つことを証明するための10項目の指標。(i)から(vi)が文化遺産、(vii)から(x)が自然遺産の評価基準となっている。2005年までは文化と自然で分かれていたが、現在は統合されている。登録には最低1つを満たす必要があるが、基準(vi)については、顕著な普遍的価値を強固にするため、他の基準と併用することが推奨されている。
グローバル・ストラテジー
世界遺産リストにおける地域(欧州への偏り)や遺産種別(歴史的建造物への偏り)の不均衡を是正するために1994年に採択された戦略。この戦略により、産業遺産、文化的景観、20世紀遺産、あるいはアフリカやオセアニア地域の遺産登録が推進されるようになった。より多様で代表的、かつ信憑性のある世界遺産リストの構築を目指す重要な指針である。
文化的景観
自然環境と人間活動が長い年月をかけて相互に作用し合い、形成されてきた景観のこと。1992年に世界遺産条約の作業指針に導入された概念で、「自然と人間との共同作品」と定義される。農耕地、灌漑施設、信仰の山、庭園などが含まれ、目に見える景観だけでなく、そこにある伝統的な生活様式や精神的な価値を一体として評価するものである。
危機遺産
紛争、自然災害、過度な開発、密猟などにより、登録時の価値が失われる恐れがある世界遺産のこと。世界遺産委員会の判断により「危機にさらされている世界遺産リスト」に記載される。記載されることで、国際的な関心を高め、世界遺産基金からの優先的な財政支援や技術協力が行われる。状況が改善されない場合は、世界遺産リストから抹消される可能性もある。

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